ジャニーズ事務所の創業者で前社長のジャニー喜多川氏による性加害問題で、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が7月下旬に来日し、被害を訴える当事者への聞き取り調査に乗り出すことが12日、関係者らへの取材で分かった。
作業部会は7月下旬から8月上旬にかけて来日し、東京と大阪で当事者のヒアリングを行う予定。調査結果を踏まえた、日本に対する勧告を含む報告書は来年6月の人権理事会に提出される。
被害を訴える声が無数にあり、ジャニーズ事務所の創業以前から連綿と続いてたことが明らかになってきた、ジャニー氏による小児および少年への性加害。
日本国内、特にエンタメ界と付随するメディアや広告業界では、歴史上類を見ないレベルの極悪かつ卑劣なこの性加害に、寛容ともとれる姿勢をいまだに貫いている。
今回、グローバルな人権意識にもとづき、異常極まりない現状は「全く許容できない」との判断が下ったのである。
ジャニーズの性加害問題は、何もジャニー氏1人だけの問題ではない。
ジャニー氏の性加害が容易に成立する環境やシステムの構築に加担した者、できあがった環境やシステムに異を唱えることなく看過した者など、多くの卑怯な大人たちがその責めを負うべきであろう。
また、ジャニー氏と同様に、直接の性加害を行った人物として元マネージャーや「なにわ男子」の大西流星氏に疑惑が浮上しており、国連人権理事会は問題の根本解決のために、ここにも鋭く切り込むに違いない。
2003年から20年間続いた『24時間テレビ』(日本テレビ系)へのジャニーズタレントのメインパーソナリティ連続起用は、今年限りで終焉を迎えることになるのではないだろうか。
いや、むしろ日本テレビに罪や恥の意識があるのならば、今年の『24時間テレビ』においても、なにわ男子をメインパーソナリティから外す決断があって然るべきだろう。
放送日まで1ヶ月あまりというタイミングだけに、放送そのものを中止するという判断があってもおかしくはない。
今年、そして来年以降の『24時間テレビ』の行く末に注目したい。
(文/川村隆二)