本当にこれでいいのか――。
経済産業省に勤めるトランスジェンダーの職員が「職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だ」として国を訴えた裁判。
最高裁判所は、「トイレの使用を制限することを認めた国の対応は違法だ」とする判決を言い渡した。
性的マイノリティーの人たちの職場環境に関する訴訟で最高裁が判断を示したのはこれが初めてで、ほかの公的機関や企業の対応などにも影響を与えるとみられる。
「トランスジェンダーの方々にとっても暮らしやすい世の中を目指すことは、当然必要なことでしょう。
ですが、そのために、非トランスジェンダーの方々にとって『暮らしにくい世の中』を作ってしまっては本末転倒ではないでしょうか。
トイレや浴場といった施設については、外部からも見分けがつきやすい『生物学的性別』にもとづく従来の区別の仕方が、やはりトラブルを生む可能性が小さいのではないかと思います。
現に、LGBTQ法案の成立や今回の最高裁判断を受けて『もう公衆トイレや職場のトイレが怖くて使えない』といった声を上げる女性は急増していますからね」（メディアコメンテーター）
本人の利益だけでなく大衆の利益にも配慮してもらいたいものである。
（文／吉良栄蔵）