「文春オンライン」（文藝春秋）によって11日、「強制わいせつ致傷」容疑で知人女性に被害届を出され、事情聴取を受けていたことが報じられた西武・山川穂高選手。
報道を受け、東野幸治さんがMCを務める『ワイドナショー』（フジテレビ系）や爆笑問題がMCを務める『サンデージャポン』（TBS系）、他の番組が避けるような話題でもこれまでたびたび鋭く切り込んできた両番組であれば何らかの追及があるのではないかと期待されていたが――。
事件が起こったのは昨年11月のこと。
初めて2人きりで会うことになったこの日、山川選手は2次会でバーのように見えるホテルへ女性を半ば強引に連れて行くと、無理矢理服を脱がせ、合意がないままに女性の陰部を触るなどして、女性は陰部およびその他下半身から出血するほどのケガを負ったという。
女性は、もともと山川選手に限らず既婚者とは2人で会わないように努めていたが、球界に知人が多く以降の人間関係を考え、また山川選手が下心のない“友人関係”を強く思わせるやり取りを重ねてきたことで、食事の誘いに応じたようだ。
軽々に山川選手の誘いに応じたのではないことは、この日までに初めて会ってから3年ほどが経過していたという状況からも感じられる。
女性は被害に遭った数日後に警察へ被害届を提出。これが受理され、警察が山川選手に事情聴取を行ったのは、優勝という最高の結果を獲得したWBCを終え山川選手が日本に帰国した直後のことだったという。
山川選手は「同意はなかったが、無理矢理ではない」と不思議な日本語で弁明しているものの、女性にわいせつな行為をしたこと、女性が負傷したことについては事実だと認めている。
文春の報道を受け、山川選手や試合出場を許可し続けていた西武に対し、世間からは一斉に厳しい声が飛ぶ事態に。
これを重く見た西武は12日、山川選手の1軍登録を抹消。表向きは「総合的な判断。コンディションを考慮しての判断」と抹消の経緯を公表しているが、事実上の「無期限謹慎」だろうとみられた。
しかし、13日の2軍練習には山川選手の姿があり、同僚の選手と話す様子などもあった。
残念ながら、14日の『ワイドナショー』『サンデージャポン』では、山川選手のトラブルについては一切報じなかった。
WBCの光の部分を、火が出るほどにこすり続けておきながら、そこに「強制わいせつ致傷」の疑いがある人物が参加していたという陰の部分には一切触れない。
こんなスタンスが許されて良いのだろうか。
（文／永野正道）