「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属していた40代後半の男性が、10月13日に大阪の山中で首を吊った状態で発見され、その後死亡。近くには遺書があり、男性が性被害を告発後、「うそはすぐバレる」「金目当て」など心無い誹謗中傷をSNSで多数受けていたことが大きく影響したとみられる問題。
「AERAdot.」が15日、旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)は、男性が亡くなってから一週間程がたった頃に、遺族に対し連絡をしてきたことを報じた。
つまり、男性が誹謗中傷や旧ジャニーズの対応の遅さに苦悩し自殺したことを、同事務所は早い段階で把握していたということ。
それにもかかわらず、11月14日に報道が出るまで、同事務所の関連サイト各種で誹謗中傷をやめさせるような働きかけを一切していなかったということになる。
報道が出た後も、公式サイトのトップに新たな「お知らせ」を掲載するでもなく、主に被害に遭った方がアクセスする「被害補償特設サイト」のトップに「SNSなどを通じて被害にあわれた方やご家族等に対する誹謗中傷が行われております。そのような不当な行為は絶対に止めていただきますよう切にお願い申し上げます」という文言を付け足しただけ。
男性の死後も、同事務所の副社長・井ノ原快彦さんは、毎日のように自身のブログを更新し続けてきたが、ここでも誹謗中傷に対する注意喚起をしてはいなかった。
同事務所は「朝日新聞」や「JNN」の取材に答える形で、「弊社としては、繰り返し被害者への誹謗中傷をしないようにお願いするなど、弊社側でできることは取り組んでまいりました。しかし、このようなことになり、何も返す言葉はございません」と語ったということだが、実際にはできることに取り組んで来なかったことは明白だろう。
(文/福田優太郎)