ついに伝説のジャパンカップが決着。
3冠馬3頭が人気どおりにアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトの順番でゴール板を駆け抜けて行った。
その瞬間に現地で、そして画面越しで勝負の行方を見守ったすべての競馬ファンが自然と拍手を送る、美しい瞬間となった。
先日の天皇賞秋で前馬未到の「芝のG1・8勝」という金字塔を打ち立てていながらもなお、「ディープインパクトやオルフェーヴルには及ばない」と過去の名馬たちに劣るという声や、「無敗の3冠馬2頭(コントレイルとデアリングタクト)とぶつかれば弾き返される」と未対決の新興勢力には劣るとの声が多く聞かれていたアーモンドアイ。
そんな方々の口を、圧倒的な強さで封じて見せた彼女に、筆者も心から拍手を送りたい。
これまで彼女は、1ヶ月程度のインターバルでは十分にそのパフォーマンスを発揮できず、惨敗することも幾度かあった。
今回は天皇賞秋から1ヶ月というタイミングでのジャパンカップ。得意としている府中が舞台とは言え、ローテーションが災いするのではないかという見方をしていた。
また、一昨年のジャパンカップを2分20秒6で制しているように、綺麗で軽い状態の芝でこそベストパフォーマンスを発揮し、重以上の馬場状態、あるいは開催が進んで芝が傷み早い時計が出づらい馬場、これらは比較的苦手としてきた側面も彼女にはある。
歴代でも最強
今日は午前中から、ジャパンカップの1つ前に行われたウェルカムSまで、明らかに時計の出づらい状態にあり、いよいよアーモンドアイ危うしかと思ったのだが……。
ローテーションも馬場状態も、さらには3歳馬に有利に働く斤量ルールも、すべてを弾き返した彼女は「現役、いや歴代でも最強場は私よ!」と言っていたように思う。
(文/豊田武志)