映像検証でも判定が変更されることはない
「まず、映像を何度も見ました。ただ確証ある映像はありませんでした。ですので仮に、プロ野球のような映像検証があったとしても判定が変更されることはないと思います」と、一般のファンや上地さんらによる「リプレー検証があれば、判定は変わっていたに違いない」との主張を明確に否定。
「審判員は目だけではなく、音や選手の反応、その他、土であっても判定するにあたり武器になるものは全て使用します。今回の映像を見たところベースの角に土がのっています。審判員はベースを綺麗にする人が大半ですが、僕はあえて土を残していました。理由は、今回のようなベースの角を蹴るようなプレイの時に、仮に足がベースに当たれば必ずその土が動いたり、ベースから落ちるのです。映像が不鮮明なので、はっきりはわかりませんが、ベースに元々のっている土の模様が変わっていないことから、足がベースに触れていないのでは?とも思います」「この判定は試合の勝敗を左右する局面かつ、タイミング的には悠々アウトのプレイにも関わらず『セーフ』を出したということは、当該審判は確信を持って『セーフ』の判定していると思います」と、当該審判の判定に理解を示した。
そのうえで「プロ野球の審判は職業審判なので、多少の批判は理解できるのですが、アマチュア野球の審判の方が必要以上に批判されている姿は、とても悲しい気持ちになります。ましてや今回の様などちらとも取れるプレイで。もちろん学生の将来に関わる可能性があるということもわかるのですが、審判の方も同じなのです。仮に数日経ってこの判定は正しかったとなっても、SNS等で受けたダメージは消えませんし、SNS等で批判されることは想像以上のダメージです」と、過剰に誤審だと騒ぎ立てる行為の危険性に触れた。
最後は「個人的にはこのプレイより、この後ホームランを打った慶應義塾の渡邉千之亮選手を称賛する方が、本来のスポーツのあるべき姿ではないのかと思っています」との言葉で結んだ。
(文/潮崎達至)