東野幸治さんがMCを務めるワイドショー番組『ワイドナショー』（フジテレビ系）に23日、お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん、ピアニストの清塚信也さんらが出演。
15日に発生した岸田文雄首相に対する爆発物襲撃事件の犯人・木村隆二容疑者について、田村さんは「犯人の動機を報じる必要はない」「殺人未遂をしたテロリストの考えを報じることは、成人式で荒ぶる若者を報じるのと一緒で模倣犯を生むだけ」という趣旨の発言をした。
これに、清塚さんも賛同する姿勢を示した。他の共演者もこれに異論を述べることはなかった。
岸田首相の襲撃事件については、一部の自民党国会議員が「テロ肯定や模倣犯につながるため犯人の動機を報じるな」との主張をしており、田村さんの発言はこれに沿うものだ。
しかし、どんな背景から犯人の動機が生まれ、犯行へと至ってしまったのかを“知る”ということは極めて重要なことではないだろうか。
テロ行為は決して許されることではないが、犯人もかつてはそのことを理解していた可能性が高い。
何が木村容疑者を凶行へと駆り立てたのか、政治や社会がテロリストを生み出した可能性はなかったのか、“知る”ことの先にこそ根本的な問題解決の糸口があるのではないだろうか。
田村さんの自民党の一部議員に右に倣えな「極論」を、平然と垂れ流す『ワイドナショー』には大きな疑問を感じた。
（文／二宮誠司）