17日に行われた大学入学共通テストの第1日程にて、「マスクは鼻まで覆うように」との注意を複数回受けながら従わなかった受験生が失格処分となったことについて、脳科学者の茂木健一郎氏は同日「試験結果無効のような重大な結果をもたらす判断をする上ではお粗末。杓子定規のロボット試験監督による人権侵害だと私には思える」と、大学入試センターの対応を非難するツイートをしていた。
その後、注意は計6回にも及んでおり、失格処分となった受験生が40代であることが判明し、世間の見方が「その年齢で、ルールを守れないとかおかしい」「受験する気はハナからなくて、マスクの必要性に関する問題提起するのが目的だったのでは」といったものに変化していった。
茂木氏が気付くべきは…
それでも、茂木氏は「鼻出しマスクで試験が無効になった方が40代だったという報道がありましたが、問題の本質は何も変わらないと思います」と主張をしている。
「確かに、受験生の年齢が18歳であっても40代であっても、同じルールの下で試験は行われるべきでしょう。
その意味では、茂木氏の発言は間違っていないとも言えます。
ですが、今回の問題は、同じように鼻出しマスクをしていた18歳は失格にならず、40代は失格になったという話ではありません。
大学入試センター側が定めたルールに従わず、繰り返しの注意にも応じなかった受験生が失格処分となり、その後トイレに立てこもり建造物不退去容疑で現行犯逮捕されたという話です。
茂木氏が気付くべきは、問題の本質が変わったかどうかではなく、自分が問題の本質に気付いたうえで発言や主張をできているかという点かと」(メディア記者)
どうやら、受験生や試験会場に関する追加の情報が増えても、茂木氏に「アハ体験」は起きなかったようだ。
(文/等々力おさむ)