14年ぶり3回目の世界制覇という大団円に終わったワールドベースボールクラシック(WBC)。
決勝戦は、アメリカ代表・トラウト選手と侍ジャパンの「泥だらけのストッパー」こと大谷翔平投手による“エンゼルス同僚対決”という映画のワンシーンのようなクライマックスが見られ大いに盛り上がったが、決勝戦以上に多くのファンをドキドキハラハラさせたのはメキシコ代表との準決勝の方だろう。
3点を先制され、吉田正尚選手の起死回生の3ランホームランで同点。
しかし、すぐにメキシコに2点を勝ち越され、侍ジャパンも直後に1点を取り返し、最後の最後に大谷翔平選手の二塁打を引き金に、苦しみ続けてきた村上宗隆選手が劇的サヨナラ2ラン二塁打。
そんな準決勝では、先発した佐々木朗希投手が大きなプレッシャーと戦っていたことを物語る表情を見せていたと、現地に帯同した福留孝介さんが28日朝の『おはよう朝日です』(ABCテレビ)で明かした。
4回表に3ランホームランを被弾し、4回3失点。味方の援護がないまま3点ビハインドでマウンドを降りた佐々木投手。その後もなかなか侍ジャパンは得点できず、イニングは次第に深まり、いよいよ「敗北」の2文字がチラつく中で吉田選手が7回裏に同点3ランホームラン。
このとき、打球がスタンドに吸い込まれるのを見るや、多くの選手がベンチ外に飛び出しガッツポーズ。そして、佐々木投手はものすごい勢いで自身の帽子をベンチ前の地面に叩きつけて喜びを表した。その様子は「佐々木朗希、帽子を170キロで投げてた」とコメントする者が現れるほどだった。
そして、福留さんによると、この直後にベンチ裏に下りてきた佐々木投手は号泣していたという。
究極のプレッシャーと向き合った佐々木投手は今シーズン、最年少の完全試合を達成した昨年よりもさらに凄まじいパフォーマンスを見せてくれるような気がする。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している