10日より全国公開となった鈴木亮平さん主演映画『エゴイスト』(配給:東京テアトル、監督:松永大司さん)。
共演は、宮沢氷魚さん、阿川佐和子さん、柄本明さんら。
2020年10月に亡くなったエッセイスト・高山真さんの自伝的同名小説が原作で、鈴木さん演じるゲイの主人公・浩輔と、宮沢さん演じる体のあまり強くない母親を養いながら親子2人で暮らすパーソナルトレーナー・龍太が惹かれ合っていく物語で、愛とエゴの境界線を考えさせられる良作だ。
SNSや映画専門サイトなどには、早くもいくつもの口コミが上がっており、全体で見ると好意的なものがかなり多い印象。だが、当然ながら一部には批判的なものもある。
某大手映画専門サイトには「同性愛のカップルが激しく求め合う性描写で気持ち悪くなり、トイレに駆け込んで嘔吐した」というものまで見られた。
どんな作品でも賛否両論あるのは当たり前であり、批判的な意見も作り手や映画を観るかどうか検討している人達にとってなど、貴重なものであることは確かだろう。
しかし、先述の「同性愛の性描写に嘔吐」という表現は、先日更迭された荒井勝喜前総理大臣秘書官の「同性婚を見るのも嫌だ」といった発言と同じ。極めて浅はかであり、配慮に著しく欠けると言わざるを得ない。
慣れていないものを目の当たりにしたことでショックを受け、嘔吐という反応が出たこと自体は仕方がないかもしれないが、そのことを明記し発信するという姿勢はいかがなものか。
(文/等々力おさむ)
~ライター略歴~
山梨県出身
かつては某俳優の付き人を務めていた
現在は芸能ネタを中心にライターとして活動中