12日に開幕したセ・パ両リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ。
神宮球場で行われているヤクルト-阪神の試合では、早くも「MVPはこの人で決定」との声が聞こえてきている。
「MVPとの呼び声が高くなっているのは、12日のセ・リーグCSファイナルステージ第1戦で1塁塁審を務めている山路哲生さんです。
試合は0-0の1回裏二死無走者から、ヤクルトの山田哲人選手、村上宗隆選手が阪神先発の西勇輝投手から連続四球を選び、続くオスナ選手が弾丸ライナーを左翼席中段へと突き刺す3点本塁打を放ち先制。
その直後、阪神は先頭の大山悠輔選手が三塁線を破る二塁打を放ち反撃ムードを高め、続く打席には原口文仁選手。
この打席で問題の場面となるんですが……。
原口選手は4球目までに2-2と追い込まれながらも、以降はファールで粘りに粘ってヤクルト先発の小川泰弘投手に12球を投げさせカウント3-2。
そして勝負の13球目。原口選手は小川投手の外角ボールゾーンへの変化球に少しだけ反応しつつも見極め見事に四球を選んだかに見えたんですが。
これを山路さんがスイングと判定。スローでのリプレーを見ても全くスイングしていませんでしたし、NHKの解説者も『これは振っていませんね』と断言したほどでした。
当然、原口選手は納得がいかない様子で山路さんの方へ激しくジェスチャー。しかし、スイングの有無についてはリクエスト制度が適用されないため判定はそのまま。
無死一二塁で本塁打が出れば同点という場面のはずが、一死二塁となりプレッシャーが軽減された小川投手は後続を抑えこの回を無失点に抑えました。
その直後、二回裏にヤクルトは追加点を入れて試合をさらに優位に進められる展開となりました。
審判の微妙な判定1つでCSや日本シリーズといった短期決戦は大きく流れが変わります。今回の場合は微妙なんてものではなく明らかな誤審ですから、『ヤクルトのCS優勝が決定的になったけど、山路がMVPだな』といった声が出ているのも仕方ないことでしょうね」(スポーツコメンテーター)
ろくに見えていない人間の目に頼るよりも、今後はスイングの有無についてもリクエスト制度を適用し、より確実な判定をすべきという議論が巻き起こる大きなきっかけとなるかもしれない。
(文/樋口健太郎)