残り試合が15ゲーム前後ながら、1~4位が2.5ゲーム差にひしめく史上空前の大混戦となっているプロ野球・パシフィックリーグ(パ・リーグ)。
そんな中、ビッグボスこと新庄剛志監督が率いる日本ハムは15試合を残して4年連続のBクラスが確定。CS進出の可能性が完全に消滅した。
ビッグボスは「1年目はトライアウト」と明言。高卒新人投手と故障者以外はすべての選手を1軍で起用し「若手も経験させられた」と収穫を口にした。
そのうえで「これだけチャンスを与えても打率2割2分以下の選手は、つかめなかったとしか判断できない。これは自分のせい。来年のレギュラーは厳しい」とも語った。
清宮幸太郎選手はビッグボスのダイエット指令効果もあり、これまでに自己最多となる13本塁打を記録。オールスター第1戦では、広島の森下暢仁投手に対し9回2死からサヨナラ本塁打を放つなど、前半戦終了時点では打率も.226でビッグボスのレギュラーとしてのボーダーラインをクリアしていた。
ところが、8月10日の西武戦で拙い走塁技術がたたり、源田壮亮選手と交錯した際に肩を痛め、数試合の欠場後は打率が次第に下降。12日現在は.201と非常に厳しいものとなっている。
守備全般の貢献を表す「UZR(ultimate zone rating)」という指標においては、パ・リーグ1位の11.2という数値を記録している万波中正選手も、本塁打こそチーム1位の14本を放っているが打率は.206とビッグボスのレギュラーボーダーに届いていない。
そして、このビッグボスの「打率2割2分以下の選手はレギュラー失格」という発言でアノ選手にも注目が集まっている。
「西武の外崎修汰選手ですね。
9月6日のロッテ戦で守備中に急逝腰痛、いわゆる“ギックリ腰”を発症して現在は1軍登録を外れていますが、すでに年間で規定打席に必要な打席数をクリアしていながら打率は.219。
守備指標のUZRではパ・リーグで断トツの15.8を記録していてゴールデン・グラブ賞獲得も有力視されていますが、『ビッグボスの指標に照らせば来年はレギュラー失格』と指摘する声も聞こえてきていますよ」(スポーツコメンテーター)
外崎選手は2021年も骨折の影響により規定打席未達ながら、打率は.220だった。
今年も.220を下回ったままシーズンを終えるのか、それともシーズン最終盤に復帰して打率を向上させられるのか、今後の動向に注目したい。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している