テレビ朝日とTBSの対応は適切だったのだろうか――。
16日、7月に投開票が行われる参議院議員選挙に向けての「政見放送」的な立ち位置とも言える「党首討論」が、22時からの『報道ステーション』(テレビ朝日系)、23時からの『news23』(TBS系)で放送された。
『報道ステーション』では生放送で行われ、この中でNHK党の党首である立花孝志さんは「国民の安全をどう守る?」というテーマに対し「テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です。テレビは国民が知るべき真実を隠しています」と切り出し、「本日お昼過ぎ、テレビ朝日のプロデューサーの方からお手紙を頂戴しました。このお手紙には『テーマから逸脱する発言は控えていただくようお願いいたします。万が一、そのような発言があった場合は、しかるべく対応させて頂く場合もあることをご承知おきください』」と放送の前に警告文が届いたことを明かし、さらに発言を続けようとすると大越健介キャスターが強い口調で「立花さん、今の発言は討論のテーマに沿ったものとは、仰るとおり認められません。発言を止めてください」などと制止。それでもなお続けようとする立花さんの発言を途中で打ち切るという対応を取った。
『news23』では討論の様子がVTRで放送されたのだが、立花さんが発言した「現在、ある俳優が当時17歳のアイドルにお酒を飲ませて泥酔させ、そのままホテルに連れ込み肉体関係を持った。いわゆる“淫行”をしたとYouTubeで配信されています。そしてテレビはこの俳優の悪行を調査もせず、なんとこの俳優を主人公とする連続ドラマを放送としようとしているテレビ局があるのです」といった部分をカットしていた。立花さんが自身のYouTube『ターシーch』にて明かしている。
『news23』は「特定の俳優の名誉を毀損する恐れがあるため」対象箇所の発言をカットしたとVTR後に説明した。
「まず『報道ステーション』の対応については、『NHK党はめちゃくちゃだから、この対応は当たり前』と賛同する声がある一方で、『国民の安全についての話で、テレビは核兵器に勝る兵器などの主張をすることは、ちっともテーマから逸脱していない』『他の党首には送らず、立花さんにだけ警告文を送ってるのはおかしい』『大越キャスターが立花さんを恫喝してるように見えました』と反対を唱える声も結構な数である状況ですね。
次に『news23』の対応に関しては、こちらも『事実かどうか分からない発言を適切に編集するのはテレビの重要な仕事』と理解を示す声がある一方で、『自社のドラマで主演するからって擁護しすぎ』『淫行の被害者本人が証言までしているのに、性犯罪よりも名誉毀損を優先させるのか』『立花さんは綾野剛の名前を明言しなかったんだから放送して良かっただろ』といった声が出ていますよ」(メディアコメンテーター)
テレビが必死に隠そうとすればするほど、ネットではかえって話題性が高まるだけのような気もするのだが……。
(文/等々力おさむ)
~ライター略歴~
山梨県出身
かつては某俳優の付き人を務めていた
現在は芸能ネタを中心にライターとして活動中