激しい暴行を加える様子の動画がSNSを通じて拡散され、いくつものメディアがこれを取り上げた熊本県八代市にある秀岳館高等学校サッカー部のコーチによる生徒への暴力。
22日には生徒が主体となっている「【公式】秀岳館高校サッカー部」のツイッターアカウントにて、サッカー部の生徒11人が経緯説明や謝罪をする動画が投稿された。
動画で生徒たちは名前も公表し顔も明かしていたのだが、同サッカー部の監督や同校の校長や学校関係者などの大人は1人も登場しない動画だった。
この動画投稿に対しては、「なぜ暴力をふるわれた生徒が謝罪しないといけないのか」「生徒を矢面に立たせるなんてどういうことだ」「まずは大人がきちんと説明をすべき」と、学校の体制に関する批判が多数集まり炎上する事態に発展。
結局、23日の昼過ぎに謝罪動画は削除となり、「昨日の自分達が投稿した動画を削除した理由ですが、自分達が伝えたいこと、保護者やサッカー部を応援してくださっている皆様に知ってほしいことを自分達が発信することによって聞いてほしくて出した動画が結果的に学校や監督、コーチに対して迷惑がかかる形になってしまい削除の運びとなりました。あくまでも今回の動画は自分達サッカー部員の有志が考え行動したことになります」と「【公式】秀岳館高校サッカー部」のツイッターアカウントが報告した。
「仮に、アカウントの自己紹介部分に記載されているとおり“※生徒主体で運営”していたとしても、大人が誰1人このアカウントに関与していない、なんてことはありえないでしょう。
百歩譲って、そんな杜撰な管理体制だったとしても、まる1日近く謝罪動画の存在に学校関係者が気付かないなんてことがありえません。
それにもかかわらず、いまだに監督や校長あるいは学校関係者といった大人は何ら今回のトラブルに関して説明をしていませんし、『週明けには詳しく説明をしますので、それまでお待ち下さい。お騒がせし、生徒たちや保護者の皆さまをはじめ多くの方にご心配をおかけして申し訳ございません』といった、いったんの断りすらも表明していません。
何もかも生徒に責任を転嫁している現状に、『秀岳館高校は現在の1年生が卒業するタイミングで廃校にせよ』『生徒は何も悪くないけど、大人たちのせいで廃部もやむなしでは?』といった意見も出て来ています。
また、子どもたちに理不尽な謝罪をさせている状況については『これは虐待です』との指摘もありますよ」(メディア記者)
将来ある若者たちの未来に、無責任な大人たちが大きな傷を残そうとしている。
(文/永野正道)