第94回選抜高校野球の出場校を決める選考委員会が28日行われ、21世紀枠3校を含む出場32校が決まった。
東海地区は東海大会優勝の日大三島(静岡)と同大会ベスト4の大垣日大(岐阜)が選ばれ、準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が選抜漏れとなったことで大きな物議を呼んでいる。
単純に順位で決まる(各地区大会の1位のみ出場可の)夏の甲子園と違い、春の甲子園出場校は選考というものが存在するため、過去にも準優勝校が涙を飲むことはあった。
だが、前年東海大会の決勝進出校が順当に選出されなかったのは44年ぶり。
準優勝の聖隷クリストファーは決勝で、ベスト4の大垣日大は準決勝で、優勝した日大三島と対戦しており、聖隷クリストファーは3-6、大垣日大は5-10というスコアで敗れている。
単純比較は難しいところもあるが、聖隷クリストファーと大垣日大は同等、あるいは聖隷クリストファーの方が少し戦力的に勝っているという評価が妥当ではないだろうか。
しかし、選考委員は「聖隷クリストファーは頭とハートを使う高校生らしい野球で、2回戦、準決勝で9回に見事な逆転劇を見せた。立派な戦いぶりでした。個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで賛否が分かれましたが、投打に勝る大垣日大を推薦校とします」とコメント。
高校生の高校生による高校生のための大会に、より高い実績を残した「高校生らしい野球」が優先されないとは……。
29日、サンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有投手は自身のツイッターで“「個人の力量に勝る大垣日大」って。それするならせめて聖隷クリストファー高を選考した上で特別枠で大垣日大高を選考するべきではないんですかね?”と疑問を呈した。
順当な日大三島とともに大垣日大が選ばれたことで、「静岡から2校出場するのは好ましくないと考えるくせに、日大系列が同地区から2校選ばれることは問題ないと考えている。つまり、選考委員会やら高野連やらは日大派閥の影響を強く受けているということですね」といった声も出ている。
よくもまぁ、こんな勝手な大人の発想を将来ある球児たちに見せつけてくれたものだ。
(文/樋口健太郎)