3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会、いわゆる“春の甲子園”出場校が28日、決定した。
夏の甲子園が各地区大会の優勝校が出場する形式に対し、春の甲子園は前年秋に行われる地区大会および明治神宮大会の成績をもとに選抜される29校と、一定の成績以上の高校の中から多角的な視点から選出される3校が出場できるという形式である。
そのため、地区大会の決勝に進出したものの優勝校に大差を付けられての準優勝に終わった高校よりも、準決勝で敗退していた高校の方が高く評価され出場校に選ばれるというケースは、春の甲子園の歴史においてはこれまでにもしばしばあったのだが……。
「今回の選考では、昨年秋の東海大会で準優勝だった聖隷クリストファーが甲子園出場が叶わず、同大会で優勝した日大三島に準決勝で敗れた大垣日大が出場権を手にする結果となりました。
高野連が明かしている選考理由は、大垣日大が聖隷クリストファーよりも『選手個々が投打に勝る』というものです。
ただ、東海大会の決勝のスコアは6-3。日大三島と大垣日大の準決勝のスコアは10-5というものでした。
これで85年の野球部創設以来、春夏通じて初めての甲子園出場を聖隷クリストファーが逃したとあっては不満が噴出するのも当然でしょう。
すでに選考基準について多くの疑問の声が聞こえてきていますし、さらに増えていくことが予想されます。
そうなると、今度は大垣日大の球児たちが批判の的とならないか心配されますし、そうならずとも複雑な思いを大垣日大の球児に負わせる可能性は十分考えられますよね」(スポーツコメンテーター)
分かりづらさや不透明さのある形式は、もうやめた方がいいのではないだろうか。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している