昨年の英オークス(G1)を、同レース史上最大着差の16馬身差で圧勝し、昨年の凱旋門賞(G1)でも優勝予想で一時はトップとなるなど注目を集めた、日本近代競馬の結晶と呼ばれるディープインパクト産駒のスノーフォール。
新年を迎えて4歳となったばかりだった同馬が、骨盤の故障によりこの世を去った。
同馬を管理するA・オブライエン調教師は「競走馬としてはもちろん、将来の繁殖牝馬という観点からも、大きな損失です。彼女は最高級の馬でした」などのコメントを寄せている。
「日本競馬史上最強と呼ばれるディープインパクト。
ディープ自身が果たせなかったフランスの凱旋門賞制覇の夢は、ディープの子ども、あるいは孫が叶えてくれるのではないかと期待されています。
日本国内にはその候補が多数いますが、海外と日本の馬場特性および環境の違いというハンディはかなり大きく、海外で育成されたディープの血を引く産駒によりチャンスがあるだろうとも言われています。
そういう意味では、スノーフォール自身はもちろん、その産駒に託したかった夢がついえたということもまた、悲しみをさらに大きくする要因となっているかもしれませんね。
ディープの主戦として凱旋門賞にもともに挑んだ武豊騎手は、スノーフォールが英オークスを圧勝した際に『243年という歴史がある英国オークスの最大着差だそうで、テレビで見ていたボクも興奮してしまいました』『スノーフォールの父はディープインパクト。繁殖牝馬はアイルランドの馬ですが、ディープの血を求めてわざわざ日本までやってきて、ノーザンファームで生まれたのちに向こうに帰った馬だと聞けば、驚きにも親近感が混じります。ディープインパクトはボクにとっても親しい大切な仲間でしたから、改めてすごかったんだなあと誇らしい気持ちにもなりました』などのコメントを寄せていました」(競馬コメンテーター)
ディープの血が世界を席捲することを期待していたであろうJRAも武豊さんも、そして日本の競馬ファンも、大きな衝撃を受けるニュースだった。
スノーフォールのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
(文/豊田武志)