27日、東京五輪の競泳男子200メートルバタフライ準決勝が行われ、瀬戸大也選手が登場した。
24日の400メートル個人メドレーではよもやの予選敗退、しかも決勝に向けて体力を温存する作戦が裏目に出たとあってネット上を中心に瀬戸選手を責めるコメントが数多く見られる状況となった。
中には誹謗中傷にあたるようなものもあり、瀬戸選手は「めっちゃムカつきます」としつつ「パワーに変えていきたい」と反骨心を示し、瀬戸選手の妻で元水泳飛び込み選手の馬淵優佳さんは「無観客開催の今回はいつも以上にSNSの心ない言葉が強く刺さるので、そうした内容ではなくエールを送ってほしい」と訴えていた。
そんなプール外での騒動もあって注目を集めた27日の200メートルバタフライ準決勝だったが、瀬戸選手の結果は同組の7位、全体の11位で決勝進出を逃すことになった。
自身の持つベストタイム1分52秒53には3秒近く及ばないタイムで、個人メドレーのときのように油断をほのめかす発言はなく、「うまく泳げなかった」とコンディションが思ったほど上がっていない可能性を感じさせるコメントを残した。
スランプ状態に陥ってしまっているのかも
「開幕前には絶好調をアピールして、99%金メダルとも豪語していましたが、ここまでの結果を見る限り調整がうまくいかなかった可能性は十分に考えられそうですね。
あるいは、400メートル個人メドレーを泳ぐ時点では調子は良かったのかもしれませんが、戦略ミス、さらにはミスを激しく責める声がたくさん聞こえてきたことで、精神的な負担が急激に膨らみ本来のパフォーマンスを発揮できないスランプ状態に陥ってしまっているのかもしれません。
前回のリオ五輪のときは、萩野公介さんという絶対的な王者がいましたので、瀬戸選手は比較的楽な心持ちで競技に臨めていたのではないかと思います。
一方、今回は自身が絶対王者となって初めての五輪。しかも自国開催、なおかつ昨年報じられた不倫騒動もまだ尾を引いているということで、本人も認識できていない深層心理の部分で強烈なプレッシャーがかかり続けているのではないかと」(スポーツ記者)
ここまで来たら、残された200メートル個人メドレーで、いい意味で開き直ってベストパフォーマンスを披露してくれることに賭けてみたい。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している