福岡ソフトバンクホークスは13日、本拠地のPayPayドームで行われたヤクルト戦に4-6で敗れ、今年の交流戦は5勝9敗4分という結果に終わった。
交流戦開幕前には、過去8回もの優勝を誇る交流戦を得意とするチームとして優勝候補筆頭に挙げる専門家も多かったが、終始“らしさ”が感じられない戦いぶりで、交流戦期間中に4つも貯金を食いつぶすことになってしまった。
「すぐに多くの方が敗因として挙げがちなのが、守護神の森投手、モイネロ投手の不在が大きすぎたというところだと思います。
もちろん、あまり打てないときでも、彼らを中心とする強力リリーフ陣が多くの試合で勝ちを引き寄せるというのがソフトバンクの強さの根底にあるのは間違いないでしょう。
ですが、誰かが抜けても新たに出てきた選手が次々と穴を埋めてしまう、そんな選手層のぶ厚さこそがソフトバンクの、他球団の追随を許さないストロングポイント。
リリーフの中心選手がいなかっただけで、18試合の間に4つもの負け越しを生み出すようなチームではなかったはずです。
では、リリーフ以外では何が苦戦の要因となったのか?
間違いなく“打撃陣の低迷”が問題だと思われます。
通常の打率も得点圏打率も悲惨なものに
交流戦前まではパ・リーグで1位のチーム打率を誇っていましたが、今や.233と日本ハムこそ下にいるものの、12球団ワースト2位にまでチーム打率が落ち込んでしまっているんです。
また、他球団はセパともに、交流戦期間になって打撃陣が活性化したチームが多かった。交流戦期間だけで見た場合に、打率が.300以上の選手は全部で30人もいます。
ところが、この中にソフトバンクの選手は1人もおらず、最も良い数字でも栗原選手の.269にとどまっています。
交流戦期間中の得点圏打率においても.300以上は30人いますが、ここにもソフトバンクの選手は皆無。チーム1位は甲斐選手の.286という結果になっています。
この打撃陣の夏を前にした息切れ状態に対しては、『今年からヘッドコーチになった小久保裕紀のダメな部分が今になって見えてきたってことでしょ』『全然期待できないのに“代打・明石”を推してるみたいだし、自分はホームラン400本以上、ヒットも2000本以上打ってるけど、選手に教えるのは下手なんじゃない?』『これで来年以降に小久保を監督にしようって流れは消えそう。そういう意味では良かった』と、小久保裕紀ヘッドコーチの責任だとする声が非常に多く聞こえてきていますよ」(スポーツ記者)
チーム状態があまり良くないときでも、悪いなりに形にして大型連敗をしないという強固さを誇ってきたソフトバンクだが、今年はやや勝手が違うのかもしれない。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している