
東京ヤクルトスワローズは14日、神宮球場の広島戦で予定していたイベント「シャンパン ル・レーヴ・ブリヤン Day」を中止すると発表した。
球団サイトは「諸般の事情」とだけ記し、試合そのものは予定どおり行うとした。急な案内になったことへの謝罪も添えている。理由の中身は書いていない。
中止の直前まで批判の的になっていたのが、始球式の人選だ。
イベントの一環で、ナイトワーク出身者を含むグループ「チャンスガールズ」が試合前企画と始球式を務める、と伝わっていた。公式の紹介は「夢を諦めたくない女の子たちが集まり、夢を追いかけ続ける」というものだった。
ファン側の反応は別だった。「家族連れの神宮で夜職の宣伝か」「子どももいる球場の顔に乗せる話ではない」との投稿が続き、TPOを問題にする声が広がった。
ル・レーヴ・ブリヤンは高級シャンパンのブランドで、この日のタイトルスポンサーだ。ファンの一部は「人選は協賛側の希望で、球団は断りにくかったのでは」と推測していた。実際の決定過程は公表されていない。ただ、発表から開催当日までの短期間に空気が悪化し、球団がイベントごと下ろした形になった。
始球式そのものが禁じ手だったわけではない。神宮ではこれまでもアイドル、レスラー、タレントがマウンドに立ってきた。
反発の核は職業差別というより、「家族観戦が前提の公式戦で、夜の店の世界を前面に出すのか」という場所の問題だった。Yahoo!ニュースのコメント欄でも、中止発表後に「良い判断だ」「お客さんを不快にしてまで呼ぶ人たちじゃない」との反応が出ている。
球団が「諸般の事情」で済ませた以上、スポンサーとの調整なのか、安全面なのかは分からない。分かっているのは、ファンの声が無視できない規模になったことだ。
(文/潮崎達至)