丸川珠代東京オリンピック・パラリンピック担当大臣が11日、閣議後の定例会見にて、中止や再延期を求める声がかなりの数に上っている五輪開催の意義について問われた。
丸川大臣は「コロナ禍で分断された人々の間に絆を取り戻す大きな意義がある。国籍、人種を問わず、同じフィールドの上で、同じルールで競技を行い、特別な努力をしたそれぞれのアスリートが真剣勝負を繰り広げ、その後に努力を称え合う姿は、必ず人々にお互いを許し合い、喜びを分かち合う思いを取り戻してくれる。この東京大会は世界中の人々が新たな光を見出すきっかけになる」と、五輪開催の必要性を語った。
また、SNSを通じて競泳の池江璃花子選手に「出場辞退することで、五輪中止の機運を高めてくれ」などと求めたメッセージがあったことについては「非常に残念。木村花さんのことを例に出すまでもなく、匿名で個人への言葉の暴力はいかなる理由でも許されない」と遺憾の意を示した。
池江さんを矢面に立たせた最たる責任は…
「五輪中止を声高に叫べども、意に介さない政治家たち。
そこに業を煮やして、やむなくオリンピックに出場内定しているアスリートへ協力を求めたという側面が、件のSNSメッセージにはあると思います。
もちろん、本来、そのようなプロパガンダを何の権限も、もちろん罪もないアスリートに求めることは慎むべきことでしょう。
しかし、そうでもしないと状況が変わらないと思わせてしまったのは政治の責任が非常に大きいと考えます。
つまり、池江さんを矢面に立たせた最たる責任は丸川大臣にあると言っても過言ではないわけです。
それにもかかわらず、まるで池江選手も丸川大臣も同列の被害者であるかのような言動をしている丸川大臣には非常に驚きましたね」(メディア記者)
開催までの残り日数と、世界中のコロナ蔓延状況、そして日本国内の複数箇所へ緊急事態宣言が発令されていることを考えれば、もはや、絆だ何だとキレイごとを言っていられる状況ではあるまい。
これ以上、池江選手らオリンピックアスリート達が不要なストレスに晒されないためにも、多くの人々の安心、安全のためにも、五輪中止を早急に決定することこそ、今の政治に求められていることではないだろうか。
(文/二宮誠司)