
茨城県下妻市の須藤豊次市長(67)が15日未明、隣接する八千代町の排水路で遺体で発見された事件で、地元住民や関係者から「自殺に見せかけた他殺ではないか」との声が強まっている。
警察は現場の状況から自殺の可能性が高いとみて調べているが、遺書が見つからないことや発見場所の不自然さ、関係者証言の食い違いが疑惑を深めている。
須藤市長は14日午後11時15分ごろ家族から行方不明届が出され、翌15日午前0時50分ごろ、鬼怒川を越えた隣町の真っ暗な排水路でロープで首を吊った状態で発見された。現場付近に自身の車が停まっていたという。遺書は見つかっていない。
これまで「事件性は低い」との警察の見解に対し、地元住民や同級生からは強い疑問が呈されている。同級生の一人は「高校時代はヤンチャだった。絶対に自殺するような人間じゃない」と断言。別の関係者は「張り切っていた。変わった様子はまったくなかった」と証言しており、亡くなる2日前の議会で「終始ボソボソと話されていて、声も聞き取りづらかった」とする職員証言と真っ向から矛盾している。
最大の謎として指摘されているのが、わざわざ鬼怒川を越えて隣町の排水路まで移動した点だ。夜間は大人でも一人で近寄りがたいほど暗い場所で、遺書も残されていない。「当選して間もなく張り切っていた市長が、突然このような場所で自殺するとは考えにくい」との声が地元で広がっている。
X上では「自殺に見せかけた他殺の可能性が高い」「警察が事件性なしで片付けようとしているのでは」との投稿が相次いでいる。地元住民からは「これを自殺で済ませたらおかしい」「もっと徹底的な捜査を」との訴えが上がっており、海外アカウントでもこの不審死が取り上げられるなど、注目が集まっている。
須藤市長は今年3月の市長選でわずか200票前後の僅差で初当選したばかりで、不法就労外国人の通報制度をめぐる地元での対立なども背景に指摘されている。警察は引き続き自殺の可能性が高いとして調べているが、遺書不在、場所の不自然さ、関係者証言の食い違いが解明されない限り、疑惑は収まりそうにない。
地元では「故人のためにも真相を明らかにしてほしい」との声が強く、司法解剖や詳細な捜査経過の公表を求める動きも出始めている。事件の行方が注目される。
(文/石田良治)