
警視庁渋谷署は6月9日、長女(18)への暴行容疑で読売巨人軍の阿部慎之助前監督(47)を東京地検に書類送検した。
捜査関係者によると、事件は偶発的で再犯の恐れがないとして、同署は書類送検に際し「寛大な処分」を求める意見を付けた。
複数の関係者情報から、検察は不起訴または起訴猶予とする方向で処理する可能性が極めて高いとみられている。
事件は5月25日午後7時頃、東京都渋谷区の自宅で発生した。阿部前監督は長女の胸ぐらをつかんで押し倒した疑い。長女にけがはなく、任意の調べに対し容疑を認めていた。同日夜、長女が児童相談所に相談した通報を受け、警察が駆けつけ現行犯逮捕。約4時間後に釈放された。
長女は事件直後、代理人を通じて「父とはすでに仲直りしておりますので、ご安心ください」との手紙を公表。処罰感情がないことを明確にしていた。
阿部前監督は事件翌日の5月26日に監督を辞任。巨人軍は「監督の暴力は非常に重い」との山口寿一オーナーのコメントを発表し、橋上秀樹氏を監督代行に据えてシーズンを終える方針とした。
暴行罪は比較的軽微な罪で、家族間のトラブルかつ被害者(長女)と既に和解済み、初犯・反省の態度が見られる場合、実務上は不起訴(起訴猶予)となるケースが非常に多いと複数の弁護士が指摘している。警視庁が「寛大な処分」を求める意見を付けたことも、検察の判断に影響を与えるとみられる。
巨人軍関係者や野球ファンからは「監督辞任という重い代償を既に払った」「家族の問題としてこれ以上厳罰は不要」との声が上がる一方、「プロ野球監督としての責任は重い」との意見も根強い。
東京地検の最終判断は今後数週間以内に出るとみられ、阿部前監督の今後(球界復帰の可能性など)にも大きな影響を及ぼしそうだ。
(文/樋口健太郎)