
東京・豊島区池袋のサンシャインシティ内にある「ポケモンセンターメガトウキョー」で2026年3月26日夜に発生した刺殺事件で、被害者の春川萌衣さん(21)が元交際相手・広川大起容疑者(26)の身勝手な執着により命を落とした実態が明らかになった。
2人は2023年12月頃、八王子市内のファストフード店でアルバイト仲間として知り合い、2024年10月頃から2025年7月頃まで交際していた。春川さんはポケモンが好きで、「ポケモンセンターで働くのが夢だった」と周囲に語っていたという。
2025年7月、春川さんがファストフード店からポケモンセンターへの転職を決めた際、広川容疑者は「ポケモンセンターのバイトはお前には合わない、辞めろ」と一方的に反対。これがきっかけで春川さんは別れを決意した。
しかし、広川容疑者は別れを受け入れず、一方的に執着心を募らせた。2025年12月25日、春川さんが警視庁八王子署に「帰り道で待ち伏せされる」などつきまとい被害を相談。署員が春川さんを自宅まで送ったところ、付近で広川容疑者を発見し、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。車内からは果物ナイフが見つかり、スマートフォンには春川さんを映した動画も確認され、銃刀法違反と性的姿態撮影処罰法違反(盗撮)で送検された。
広川容疑者は取り調べに対し「復縁したかった」「もうしません」と供述。2026年1月29日に接近禁止命令を受け、翌30日に略式起訴されて罰金で釈放された。警視庁は加害者向けカウンセリングや治療を働きかけたが、広川容疑者はこれを拒否していた。
春川さんは警察の助言で2月上旬まで約1カ月間、親族宅に避難。勤務先変更も勧められたが、「ここで働くのが夢だった」とポケモンセンターでの仕事を続けていた。警視庁は3月12日まで春川さんに複数回連絡を取り、「異常はない」との返事を受けていたという。
事件当日、広川容疑者は店内に入るとレジカウンター内に侵入し、春川さんの首や腕などを少なくとも5回刺した。その後、自ら首を刺して倒れ、双方が搬送先の病院で死亡が確認された。
警視庁は広川容疑者の一方的な執着が事件の背景にあるとみて、殺人事件として容疑者死亡のまま書類送検する方針。春川さんの「夢」を一方的に否定したうえで別れを拒否し、ストーカー行為にエスカレートさせた広川容疑者の身勝手な凶行に、強い非難の声が上がっている。
(文/二宮誠司)