
1月23日放送の『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)で、12歳の小学6年生長男が弟妹5人(10歳、8歳、5歳、2歳、0歳)の育児・家事を日常的に担う大家族のエピソードが紹介され、放送後ヤングケアラー問題として大炎上。
元特捜部主任検事の前田恒彦氏がYahoo!ニュースのエキスパート記事(1月24日公開)で、法的な観点から厳しく指摘し、注目を集めている。
番組内容とヤングケアラーの実態
依頼は「1日だけ自分の代わりに家事・育児をしてほしい」という長男のもの。霜降り明星・せいやさんが代行し、長男の負担を目の当たりに。
「同級生は自由に遊んでいてうらやましい」「長男をやるのに疲れた」と本音を吐露した長男に、せいやさんは「お前はな、まだ12歳や」と抱き上げ、視聴者から感動の声が上がった。
しかし、番組終盤で母親が帰宅直後に「米炊いて!7合!」と指示するシーンが流れると、「これは感動話じゃない」「ヤングケアラーすぎる」と批判が殺到。母親のSNS過去投稿(「家事育児はできるだけしたくないから長男に仕込んでる」「長男は結構使える」など)が掘り起こされ、炎上を加速させた。
前田恒彦氏の法的分析
前田氏は大阪・東京地検特捜部に所属した元特捜部主任検事。記事で以下のように指摘:
●民法上の監護義務違反:親には子どもを養育・監護する義務があり、兄弟に日常的な育児を転嫁するのは親の責任放棄。12歳児が学業・遊び・睡眠・心身の健康に支障をきたす場合、明確な違反に該当する可能性が高い。
●児童虐待防止法違反(ネグレクト):虐待は身体的暴力だけでなく「育児放棄(ネグレクト)」も含む。親が存在するのに年齢不相応な責任を恒常的に子どもに押し付ける行為は、ネグレクトとして評価され得る。本人が「困ってない」と言っても、周囲の大人は介入を検討すべき。
●ヤングケアラー支援の観点:2024年改正子ども・若者育成支援推進法でヤングケアラーは明確な支援対象。多くの子どもが自覚なく負担を抱えており、行政(児童相談所など)の積極的な関与が必要。
前田氏は「番組に演出上の誇張があっても、単なる感動話として消費すべきテーマではない」と強調。親の責任再認識と、社会・行政の支援体制強化を提言している。
▼ネットと社会の反応
Xでは「児相案件」「長男が可哀想すぎる」「親の倫理観どうなってる?」との声が多数。一部で「家族の絆を描いただけ」と擁護する意見もあるものの、ヤングケアラー問題への関心が高まり、児童相談所への通報を呼びかける投稿も見られる。番組側は公式コメントを出していないが、この一件がヤングケアラー支援の議論をさらに加速させるきっかけとなりそうだ。
子どもを守る視点から、早期の適切な介入が求められる深刻なケースと言えるだろう。
(文/中野慎二郎)
~ライター略歴~
東京都中野区出身
演劇&音楽を愛しアーティスト活動を20年に渡り行うも鳴かず飛ばず
2017年より自身の経験と人脈ををもとにフリーライターとして活動