
12月29日正午過ぎ、東京都新宿区高田馬場4丁目のマンション2階共用廊下で、エステ店の30代女性店長が刃物で胸、腹、腰、手首など複数箇所を刺される事件が発生した。女性は重傷を負ったが、命に別条はないという。
警視庁は30日未明、殺人未遂の疑いで中国籍の職業不詳、朱煜(しゅ・いく)容疑者(35)=千葉市花見川区在住=を逮捕した。朱容疑者は取り調べで黙秘している。
事件の背景には、金銭トラブルが浮上している。朱容疑者は2025年8月以降、被害女性が店長を務めるエステ店に客として複数回来店していたが、施術料金の未払いなどを巡ってトラブルになっていたとみられる。被害女性は病院搬送前に「朱容疑者に刺された」と証言しており、警視庁は待ち伏せ犯行の可能性も含めて動機を調べている。
犯行後、朱容疑者は現場からタクシーと電車を使って逃走。防犯カメラのリレー捜査により、千葉市内のファストフード店で犯行時と同じ服装で食事をしていたところを確保された。
注目されるのは、朱容疑者の過去の逮捕歴だ。一部の情報によると、2023年8月にも千葉市内で知人女性を刃物でメッタ刺しにしたとして殺人未遂容疑で逮捕されていた前科があるという。
今回の事件との関連性は不明だが、殺人未遂の犯人がわずか2年後に類似の事件を起こせる状況にあったのではないかとして、ネットを中心に大きな衝撃が走っている。
(文/二宮誠司)