
9月23日、X(旧Twitter)ユーザーKENSKY(@KENSKY_nikka)さんが投稿した札幌市営地下鉄の写真が大きな議論を呼んでいます。
KENSKYさんは「冷房がないのに涼しくて最高!」と称賛する文脈でこの写真を投稿し、テレビ朝日からの連絡を受け同写真を報道で使用する許可をしていました。
しかし、テレビ朝日はこの写真を「サウナ状態で143件の苦情が殺到」と報じるニュースで使用。投稿者の意図とは真逆の文脈で放送されたことで、KENSKYさんは「捏造報道」と批判し、X上で波紋が広がりました。
この出来事は、メディアのSNS画像活用の倫理や報道の正確性に対する疑問を投げかけています。KENSKYはテレビ朝日(@tv_asahi_houdou)をタグ付けし、「写真の使用許可を得たが、内容が全く逆転している」と指摘。フォロワーなどからは「マスメディアのデマ規制が急務」「悪意しか感じない」といった声が相次ぎました。
この事件は、メディアの信頼性問題を浮き彫りにしました。
2019年のReuters Institute Digital News Reportでは、テレビ朝日の信頼度は主要放送局の中で最低(5.76/10)と評価されており、過去にも報道の偏りや誤りが指摘されてきました。
今回のケースでは、X上での反応も「マスゴミ」「やりたい放題」と厳しく、SNS誤情報の規制を求める声よりも、伝統メディアの透明性が求められています。特に、テレビ朝日がKENSKYにDMで連絡し許可を得た後、意図を隠して使用したとすれば、倫理的な問題がより深刻です。
(文/石田良治)