
18日、女性セブンプラスが公開した記事が芸能界に大きな波紋を広げている。
フジテレビの第三者委員会報告書に関連し、「誰もがその名を知る国民的スター」として予告されていた人物が、俳優で歌手の福山雅治さん(56)であることが判明。
福山さんが、元フジテレビ専務・大多亮さんが主催した「不適切な会合」に参加し、女性アナウンサーとの飲み会を積極的に求めていたとされる疑惑が浮上した。この問題は、中居正広さん(53)に関わる一連の騒動をきっかけに発覚したフジテレビのガバナンス不全の一環として注目されている。
昨年末、中居正広さんと元フジテレビ女性アナウンサー(以下、女性A)とのトラブルが報じられ、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)は2025年1月23日に第三者委員会を設置。3月31日に公表された約390ページの報告書では、中居さんの行為が「業務の延長線上での性暴力」と認定され、フジテレビの企業統治や人権対応の不備が厳しく指摘された。この調査の過程で、局内で長年続いてきた「女子アナ接待」と呼ばれる不適切な会合の実態も明るみに出た。
報告書によると、2005年頃からコロナ禍前まで、年に1~2回、元専務の大多亮さんが主催する懇親会が開催され、複数の女性アナウンサーや女性社員が参加を強いられていた。これらの会合では、「特定の男性有力番組出演者」との交流が目的とされ、一部で「下ネタ的な性的内容」の会話が交わされ、参加した女性アナウンサーから「不快な思いをした」との証言が上がっていた。
女性セブンプラスの報道によると、この「特定の男性有力番組出演者」が福山雅治さんであったことが判明。福山さんは、大多さんとのLINEのやりとりで「女子アナの皆様との会、よろしくお願いします!」「新人アナに会いたいですねぇ」といったメッセージを送り、これに応じる形で大多さんが会合をセッティングしていたとされる。これらの会合では、福山さんが「いわゆる下ネタ的な性的内容」の発言を行い、一部の女性アナウンサーが不快感を表明していたことが報告書に記載されている。
福山さんの所属事務所アミューズは8月18日、公式サイトで声明を発表。福山さんが大多氏主催の懇親会に参加したことは事実だが、「あくまで仕事先の会食としての認識だった」と説明。第三者委員会のヒアリング要請に対し、福山さんが「多忙」を理由に直接の対面ヒアリングを断ったとの報道を否定し、「地方ロケ中でスケジュール的に難しかったが、書面で真摯に対応した」と強調した。
さらに、福山さん自身は女性セブンの70分にわたる独占インタビューに応じ、「報告書を読んで、悩み、考え続けておりました」と心境を吐露。「不快な思いをした方を特定することは絶対にしてはいけない。ではどうやってお詫びすればいいのか」と葛藤を語り、謝罪の意を表明した。 ただし、具体的な発言内容や詳細な状況については、報道でも明かされていない。
福山さんは、長年ラジオ番組『福山雅治のオールナイトニッポン サタデースペシャル・魂のラジオ』などで、独特の「下ネタトーク」を展開し、ファンからは“ましゃ節”として親しまれてきた。過去には「チンコ出して街歩きたい」「ライブで女の子たちは俺の股間ばかり見る」といった過激な発言が記録されており、これがラジオという「安全な場」では笑いとして消費されていた。しかし、フジテレビの会合のような上下関係が存在する職場環境では、同じ発言がセクハラと受け止められる可能性が高く、今回の問題の根深さを浮き彫りにしている。
また、福山さんが「新人アナに会いたい」と要求していた背景には、フジテレビと芸能事務所の力関係が影響していると指摘されている。人気タレントの意向は番組編成や視聴率に直結するため、局幹部がタレントの“ご機嫌取り”として女性アナウンサーを動員する文化が常態化していた。この「上納飲み会」と揶揄される慣習は、女性アナウンサーが「断れば人事評価に響く」と感じる圧力を生み、声を上げることを困難にしていた。報告書には、ホテルへの誘いや身体への接触など、より深刻なハラスメント被害の証言も含まれており、フジテレビのガバナンス不全が改めて問われている。
中居正広さんと福山雅治さんのケースには、共通点と相違点が存在する。
共通するのは、両者ともフジテレビの番組出演者として長年活躍し、局幹部との関係性の中で「不適切な会合」に参加していた点だ。中居さんの場合は、2023年のバーベキュー会合での行為が「性暴力」と認定され、示談に至ったものの、第三者委員会の調査手法に異議を唱え、名誉回復を求める動きを見せている。一方、福山さんの場合は、直接的な性暴力の認定はないものの、女性アナウンサーが不快感を表明した「下ネタ発言」や会合の積極的な要求が問題視されている。
相違点としては、福山さんが自らメディアの取材に応じ、謝罪と反省の姿勢を示した点が挙げられる。中居氏は沈黙を守り、代理人を通じた反論に終始しているのに対し、福山さんは「ファンの方には大変心苦しく」と心情を吐露し、事務所も迅速に声明を発表するなど、対応の透明性が際立つ。
しかし、X上では「福山は普段から下ネタを言うキャラだから」と擁護する声がある一方、「ダメなものはダメ」と批判する意見も見られ、世論は分かれている。
SNSでは、福山さんの関与に驚きの声が広がっている。「中居さんだけかと思ったら福山さんも…」「新人アナを指名ってキモい」といった批判的なコメントが散見される一方、「飲み会に参加しただけで問題視するのはやりすぎ」「福山なら許される」と擁護する声も存在する。
また、一部のユーザーは「アミューズの対応が迅速でさすが」と事務所の危機管理を評価する一方、「芸能界の構造的な問題を放置してきた結果」と業界全体への批判も上がっている。
(文/等々力おさむ)
~ライター略歴~
山梨県出身
かつては某俳優の付き人を務めていた
現在は芸能ネタを中心にライターとして活動中