
11日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、日本テレビのバラエティ番組『月曜から夜ふかし』(毎週月曜よる10時)について、放送倫理違反の疑いがあるとして審理入りを決定。
14日、同委員会は「他国の文化への尊重を欠いた疑いがある」との声明を発表し、問題の背景と今後の検証方針を示した。
問題となったのは、2025年3月24日放送回での街頭インタビュー。中国出身の女性が「中国ではカラスを食べる」と発言したかのように編集されたが、実際にはそのような発言はなく、制作スタッフが意図的に内容を捏造していた。
日本テレビは放送後、公式サイトで「女性の発言の趣旨とは全く異なる内容にした」と謝罪し、街頭インタビューを当面中止すると発表。福田博之社長も3月31日の会見で「演出の範囲を超えた。あってはならないこと」と謝罪した。
BPOの小町谷育子委員長は声明で、「編集が意図的であり、他国の文化への尊重をどのように考えていたのか検証する必要がある」と説明。
今後、制作担当者への聴取を通じて、編集の意図や制作過程を詳しく調査する方針だ。委員会は、特に「視聴者の信頼を損なう行為」「文化への配慮不足」に焦点を当てるという。
X(旧Twitter)上では、視聴者の反応が分かれている。「捏造は許されない」「番組の信頼が落ちる」とBPOの審理入りを支持する声がある一方、「面白い番組なのに厳しすぎる」「一回のミスで打ち切りは過剰」との意見も。
あるユーザーは「日テレは倫理意識を再点検すべき」と指摘し、別のユーザーは「深夜のバラエティにそこまで求めるか」と反発した。
『月曜から夜ふかし』は、マツコ・デラックスさん(52)と村上信五さん(43・SUPER EIGHT)がMCを務める人気番組で、ユニークな街頭インタビューやユーモラスな企画が特徴。
過去にも過激な内容で議論を呼んだが、視聴率は安定して推移してきた。BPOの審理結果次第では、番組の存続や内容見直しに影響が出る可能性があり、注目が集まる。
日本テレビは「BPOの審理対象となったことを重く受け止め、真摯に対応する」とコメント。審理の進展と番組の今後について、さらなる発表が待たれる。
(文/一ノ瀬亘)