中国当局が2015年に日本人女性を拘束した際、日本国内での行動についてスパイ罪を適用し、その後、懲役6年を科していたことが30日、分かった。
この日本人女性は、中国側の沖縄県・尖閣諸島を巡る見解を東京都内で聞き、これを日本政府側に提供。その後、上海出張中に中国当局にスパイ罪で捕まった。
女性が日本政府に提供した中に国家機密の情報は含まれないと判断されたものの、懲役6年の実刑判決が下され、女性は服役するに至ったことを複数の日中関係筋が明らかにした。
邦人の日本での行動に対するスパイ罪適用が判明したのは初めて。
驚くべきことかつ恐ろしいことに、日本政府は事態を把握したもののこれまで公表していなかった。
なお、2015年当時、外務大臣を務めていたのは、前内閣総理大臣の岸田文雄氏である。
岸田氏はもちろんのこと、日本政府は情報を伏せることで、中国へ渡航した場合の危険性を隠蔽し、国民を10年近くにわたってリスクに晒し続けていたことになる。
日中関係筋によると、女性は60代で、12~13年に在日本中国大使館の関係者と都内で複数回にわたり面会。日本政府による12年の尖閣諸島の国有化を受けた日中対立について意見を聞き取り、日本政府関係者2人に内容を伝えていたという。
(文/二宮誠司)