11日17時半頃、西武がソフトバンクにFA移籍した山川穂高内野手の人的補償として、ソフトバンクから甲斐野央投手を獲得したと発表した。
発表から15時間ほど前、ソフトバンクから西武へ移るのは、昨季8勝を挙げ、日米通算163勝、今季も開幕投手候補にあがっていた和田毅投手。西武が、昨年末にソフトバンクから受け取っていたプロテクト外選手のリストの中から和田投手を選び、その旨をソフトバンクへ打診していると日刊スポーツが報道。
この報道自体は、後に日刊スポーツが紛れもなく事実だったとあらためて報道。
ところが、和田投手が人的補償の対象に最終決定した場合、主にソフトバンク側へ多大な批判等の影響は免れない状況が浮き彫りとなり、両球団が協議した結果、甲斐野投手が最終的に人的補償の対象として決まったという。
そもそも、不祥事からの再出発、山川選手が負うべきペナルティーや果たすべき禊の観点から、FAでの山川選手獲得の時点で大きな疑問符がソフトバンクには付いていた。
そこへ、プロテクトおよび人的補償のルールを完全に無きものとした「待った」「後出しじゃんけん」行為。
ソフトバンクの一連の姿勢は、まともにプロ野球のチームとして機能する組織体制とは言えず、非道そのもの。
何らかの重大なペナルティーを科さなければ、今後、悪しき前例として残ってしまうのではないだろうか。
(文/樋口健太郎)