10月中旬に、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属していた40代後半の男性が、誹謗中傷と旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)の数ヶ月にわたる対応遅滞により自ら命を絶っていた。
そう報じられてから1週間が経過したが、いまだにSMILE-UP.公式サイトのTOPや「お知らせ」欄には、誹謗中傷を防止するための明確な通知は1つもない。
これだけで十分に不誠実な会社と言えるが、あまりにも被害者や世間を舐め切っている実態が、21日の「週刊文春 電子版」(文藝春秋)で見えてきた。
まず、文春を通じて被害を告発したうち10人が10月の早い段階で被害申請をしているものの、このうち1人たりとも救済委員会のヒアリングを受ける段階に進んでいる人はおらず、ヒアリングの日程調整に入っている人が1人だけという状況だという。
さらに、被害申請をした方達の在籍確認は、救済委員会ではなくSMILE-UP.側が行っており、ギャラが発生するような仕事はしていなくとも当時の状況などと照らせば在籍確認できそうな人については、状況を知っているはずの東山紀之さんが非協力的なために在籍認定を受けられずにいるという。
「11月から補償をスタート」と10月2日の会見でSMILE-UP.は宣言していたが、どう考えても11月中どころか年内の補償スタートさえ厳しい状況が浮き彫りとなっている。
そんな中、毎日のようにSMILE-UP.に所属するタレントがテレビに出演し、年明け以降の仕事も続々と決まり、それを「FAMILY CLUB Official Site」で連日のように意気揚々と発表する。
SMILE-UP.は補償は後回しにし、新規のタレント仕事にばかり精を出しているようにしか見えない。
(文/福田優太郎)