「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属していた40代後半の男性が、10月中旬に大阪の山中で首を吊った状態で発見され、その後死亡していたことが14日、分かった。
近くには遺書があったということで、遺族が「自死」だったと明かした。男性は一部メディアで性被害を告発後、「ウソはすぐバレる」「金が欲しいんだろう」など心無い誹謗中傷をSNSで多数受けていたという。
この報せの中、「FAMILY CLUB web」に14日に投稿された旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)所属タレントのブログは実に77件。だが、元ジャニーズJr.の男性が自死したことへの配慮はもちろんのこと、心無い言葉の刃に対する注意喚起すら、誰1人として記さなかった。
OBの死が大々的に報じられたならば、何も書かず喪に服す、そのことに配慮をしながら書く、一般的にはこのどちらかの対応をとることが多いのではないだろうか。
また、14日には、9月末に起こった有愛きいさんの飛び降り自殺をめぐり、宝塚歌劇団が外部弁護士による調査チームの報告書を公表。「いじめやパワハラはなかった。自殺は過労が主な要因」とする旨を発表したことで、世間からは「そんなワケない」「よくもそんなあり得ない理屈を出したもんだ」など、呆れと怒りの声が多数聞かれることに。
「週刊文春」(文藝春秋)がこれまでに報じたところによれば、有愛さんの突然の死の報せを聞いた際、先輩団員たちは「公演を続けたい」「すぐにでも再開しよう」との意思を示していたという。
ネットを中心に、「旧ジャニーズと宝塚はどちらも、歪んだ価値観が蔓延している」「古い体質だから、てっきり人情はあるもんだと思ってたのに、ジャニも宝塚も人としての最低限のマナーすら持ち合わせてなかった…」といった声が聞こえてきている。
関係者の死、それも自死に対する向き合い方において、旧ジャニーズと宝塚歌劇団には共通するおぞましさを覚えるところである。
(文/福田優太郎)