この1週間で“不適切発言”をめぐるニュースが2件あった。
1つ目は、1月23日に所属するアイドルグループのYouTubeチャンネルでの生配信において、差別用語を不意に使ってしまった「たこやきレインボー(通称:たこ虹)」の春名真依さん。
読み間違い、あるいは無知による勘違いという類のものであったが、所属事務所のスターダストプロモーションは春名さんを当面の間、活動自粛させることを公式サイトで発表した。
2つ目は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視と受け取れる発言だ。
差別は撲滅されるべきもの
組織委は7日、「森会長の発言は五輪・パラリンピックの精神に反する不適切なもの」との見解を発表し、「会長自身も発言を撤回し、深くお詫びと反省の意を表明致しました」との報告はしたものの、会長自身による辞任や組織委からの解任決議などは、どうやらないようだ。
「どう考えても、1つ目と2つ目で迎える結論が逆ではないかと思いますね。
もちろん、差別は撲滅されるべきものであり、決して許されるものではないという大前提は覆るものではありません。
不意であっても、厳しく叱責を受けるべきであり、無知のままでいることは表現者としてあるまじきことでしょう。
ですが、春名さんの場合、きちんと言葉の意味や言葉が生まれてきた経緯、使われてきた経緯を理解させ、傷ついた方々への謝罪を経て厳重注意処分という対応で良かったのではないかと。
方や、森会長に関しては海外からも厳しい視線が注がれており、このまま会長職に残し続ければ、森会長だけでなく日本全体のジェンダー平等に関する考え方が『差別を容認する姿勢なのではないか』との見方が強まる恐れがあります」(メディア記者)
海外から「日本はまともな国だ」と受け止めてもらうには、森会長に対し厳しい処分を下すしかないように思われるが……。
(文/二宮誠司)