キックボクシング無敗の格闘家で4月にプロボクシング白星デビューを飾った東洋太平洋スーパーバンタム級8位の那須川天心が18日、東京・有明アリーナでプロ2戦目に臨んだ。
那須川はメキシコ・バンタム級王者のルイス・グスマンを相手に、1ラウンドでいきなりダウンを奪うなど終始、主導権を握り続けた。
しかし、経験で勝るグスマンを最後まで捉え切ることはできず、1戦目と同じく判定勝ちに終わった。
「キックボクシング時代からの武器であるスピードという面では相手を圧倒していましたが、何発浴びせてもKOできずパワー不足を感じさせられましたね。
試合はフェザー級(55.7キロ以下)で行われましたが、グスマンはあくまでもバンタム級(53.5キロ以下)のメキシコ王者、対する那須川はスーパーバンタム級(55.3キロ以下)ですから、もっとハッキリとパワーの差が出ておかしくないマッチアップだったワケで、この点からも那須川のパワー不足が際立っていました。
また、4ラウンドあたりからラウンド間のインターバルで口を開けて呼吸していたように、スタミナ面でも不安が見えました。
今回はまだ8ラウンドでしたが、12ラウンドになったときにはパワー・スタミナ両面で大きな進化がない限り、世界のトップレベルと渡り合うことはできないのではないかと思いましたよ」(スポーツコメンテーター)
キック時代同様に、相手を馬鹿にしたようなトリッキーなステップ、試合後の冗長なトークは健在だが、世界の頂点を争うプロボクサーとしてはまだまだ課題が山積みのようだ。
(文/樋口健太郎)