ジャニーズ事務所は13日、創業者で元社長・ジャニー喜多川さんによる性加害問題について、被害補償と再発防止策について発表した。
当記事では発表全般については触れず、被害補償から見える同事務所の真意についてのみ触れていきたい。
補償の対象は「ジャニーズ事務所にタレントまたはジャニーズJr.など研修生として所属していた、または現在所属している人」で「ジャニー喜多川による性加害の被害を受けた人」としている。
再発防止特別チームの調査報告書、7日の同事務所による記者会見では明確に「ジャニー喜多川以外による性加害」についても事実認定していたにもかかわらず、明らかにこれを隠蔽しよう、なかったことにしようという思惑が見え隠れする。
調査報告書と記者会見では「社員による性加害」を事実認定しており、これを隠すことが狙いのように思えるが、むしろその先、社員による性加害を深掘りされ詳らかにされることで、現役所属タレントによる性加害までもが明るみに出ることを何よりも恐れているのではないだろうか。
具体的には、昨年末より複数の元ジャニーズJr.による告発が出ている「なにわ男子」の大西流星さんの性加害が念頭にあるものと思われる。
ジャニーズ事務所という社名を変更せず、前社長でジャニーさんの姪である藤島ジュリー景子さんが株式を100%保有している状況を変えようとしないことももちろん注目すべき点であることは間違いない。
だが、それと同じくらい、大西さんの性加害疑惑について不自然に遠ざけようとしていることについても、注意深く見ていく必要があるだろう。
(文/福田優太郎)