ジャニーズ事務所の創業者で前社長・ジャニー喜多川さんによる性加害問題を受けてジャニーズ事務所が設置した「再発防止特別チーム」が29日、調査報告書と再発防止策の提言書を公表。
これを受け同日夜のテレビ各局の報道番組では、「マスメディアが正面から取り上げてこなかった」との指摘に応えるように、この件について一定の時間を割いて報道。「藤島ジュリー景子社長は辞任すべき」とした再発防止特別チームの提言を取り上げた。
また、30日までにどの局もおおむね「性加害などの人権侵害は許されない」「メディアが沈黙していたとの指摘を真摯に受け止める」とする声明を発表した。
一見すると、ようやくジャニーズ性加害問題にきちんと向き合う覚悟を決めたかに思えたのだが……。
■『これからも最大限ジャニーズ忖度していく』
「どの局も29日夜、30日の朝から昼にかけて、報道番組、情報番組で再発防止特別チームの調査報告および提言を報じ、自社のスタンスについても表明していました。
ところが、30日夜からは不思議なことに全局がこの問題について一切触れず。31日午前のワイドショーなどでも扱うテレビ番組は皆無でした。
大きな問題については、特段新しい情報がなくとも連日のように擦り倒すのがテレビ報道の常ですから、明らかに『あえて触れない』という姿勢が透けて見え、引いては『これからも最大限ジャニーズ忖度していく』という本音が感じられましたね。
そもそも、ジャニーズ性加害問題はもはやジャニー喜多川さんによるものだけでなく、元マネージャーや現役アイドルである『なにわ男子』の大西流星さんにも疑惑があり、再発防止特別チームの調査報告でも『ジャニー氏以外にも、ジャニーズ事務所の社員による性加害があることが確認された』とあります。
ことさらに、ひたすらに、ジャニーさんの性加害にばかりスポットを当てて、ジャニーさん以外の性加害に触れようとしない時点で、テレビ各局はこれまでと同じように『隠せるものは隠して、なかったことにしよう』としているように思えてなりません」(メディアコメンテーター)
ジャニーズ事務所、テレビ各局は連携して、どうにも隠せなくなったジャニーさんの罪だけを集中的に報じ、ジュリー社長が責任を取るという形で幕引きを図ろうとしているようだ。
(文/福田優太郎)