12日に急逝したタレントのryuchell(旧芸名:りゅうちぇる)さんが受けていた誹謗中傷をめぐり、政治家が息まいている。
自民党の牧原秀樹衆院議員がツイッターで「ツイッターやSNSで誹謗中傷をして侮辱罪等の刑法犯に該当する者はアカウントを削除した者も含めて『すべて』逮捕すべきだと考えます。言葉の暴力はあってはなりません」とコメントした。
そして「東スポ」がこの牧原氏の投稿を取り上げる記事を掲載し、同記事はYahoo!ニュースでも確認できる状況だ。
一方で、ジャニーズ事務所の創業者で前社長のジャニー喜多川氏による性加害問題で、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が7月下旬に来日し、被害を訴える当事者への聞き取り調査に乗り出すことが12日に分かった件。こちらは、当日中にYahoo!ニュースに載ったのは「共同通信」によるものだけ。
14日に「日刊ゲンダイ」が岸田政権がビクついていると報じたものの、この件について声高に叫ぶ与党・自民党の議員はこれまでのところ皆無ではないだろうか。
誹謗中傷は当然、社会問題としてしっかりと向き合う必要があるが、70年以上も連綿と続いたジャニー氏による性加害、ジャニーズ事務所という箱とシステムができたことにより拍車がかかり被害者を数千人規模にまで拡大させた性加害、これを真正面から断ずることができない政治家など存在価値は極めて低いと言わざるを得ないだろう。
そして、そんな政治家を糾弾・追及できないメディアもまた同罪と言っても過言ではないのではないだろうか。
(文/川村隆二)