松戸市議会議員の増田かおるさんが13日未明、自身のツイッターを更新し、12日に訃報が伝えられたタレントのryuchell(旧芸名:りゅうちぇる)さんを侮辱する投稿をした問題。
増田さんは「自らこの世を去ったそうです。『どこにも居場所がない』と呟いていたらしい。本当に苦しかったんでしょうね…トランスへの差別や偏見からくる誹謗中傷が高まる中、今後の社会的影響が非常に心配です。『あなたはありのまま生きて良い』という社会が良い」と投稿。
ryuchellさんの氏名を間違え、敬称もナシ、おまけに不確かな情報にもとづいて自身の名前や政治思想を拡散しようとしたとして「売名行為がひどい」「失礼極まりない」「侮辱」「不謹慎」など多くの批判・非難を集めていた。
増田さんは13日正午前になって、再びツイッターを更新。「お名前を間違えて書いてしまい、本当に申し訳ありませんでした。正式な謝罪文は後ほど公表します」とした。
しかし、侮辱に塗れた元のツイートは削除することなくそのままだった。
この増田さんの姿勢には、「問題のあるツイートを消すのは一瞬でできるだろ」「簡単な謝罪のリプライを上げてお茶を濁してないで、きちんと元の投稿をツイ消ししなさい」などの批判の声が集まった。
そして、13日の15時過ぎになって、増田さんは当初の「れいちぇる」ツイートを無言で削除した。
これにも、「だったらさっきの簡単な謝罪の時点で削除しておけよ」「ここまで削除せずに来た以上、削除は正式な謝罪文とともに行うのが礼儀ってものでは」といった批判が殺到。
さらに7時間半後の13日22時半、増田さんはツイッターを更新し「ホームページに『Twitter投稿に対するお詫び』を掲載しました。改めて深くお詫びを申し上げるとともに、心よりりゅうちぇるさんのご冥福をお祈りいたします」と、自身のホームページへのリンクを貼って投稿。
同投稿のコメント欄が閉鎖されていることや、リンク先トップには満面の笑みを浮かべる増田さんが見えること、かなりの時間を要して綴った謝罪文の中身が薄いこと、最も重要なポイントである「よく知りもしないryuchellさんの死を、不確かな情報を交えながら政治利用した」という点に触れていないこと、簡単な謝罪と正式な謝罪に大差がないことなどから、あらためて多数の批判・非難が寄せられている。
なお、増田さんの正式な謝罪文は「りゅうちぇるさんがお亡くなりになったことがとてもショックでした。自死の可能性という報道もあり、いろいろな思いが交錯して取り乱した中で、お名前を書き間違えるという、あってはならない事態を引き起こしました。また、憶測で書いているとのご指摘もいただきました。私の投稿を残すことで、りゅうちぇるさんのご家族やファンの皆様、関係者の皆さまにご迷惑や不愉快な思いを与えてはならないと考え、投稿は削除しました。深くお詫びを申し上げるとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」というものだった。
(文/高柳拓郎)