6月いっぱいで、山下達郎さんに誘われる形で所属し、業務提携を15年間続けてきたスマイルカンパニーから、中途の契約解除を受けたと告白した音楽プロデューサーの松尾潔さん。
契約解除が「ジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由」と1日のツイートで明かしていた松尾さんが10日、自身のツイッターを更新。
「#ミヤネ屋 で、山下達郎さんのラジオ発言に関する3つの質問にお答えしました。
メディア10数社からの取材依頼に応じたのは今回が初めて。番組側が「自筆テキスト、切り取りなしの全文紹介」の条件を呑んでくれたからです。お待たせしている他社のご担当の皆さま、ご海容ください」と投稿した。
3つの質問および回答は以下のとおり。
【質問1】山下達郎さんが、ラジオで話された内容についてどのよに思われましたか。
【回答1】オンエアの時、私は自分が関わったミュージカル『ムーラン・ルージュ』で帝国劇場にいましたので、radikoのタイムフリーで番組を聴いたのは夜になってからでした。
美声の達郎さんのよどみない語りは素晴らしい芸だなあと、あらためて痛感。かつて一緒に落語を聴きに行ったり、落語CDをいただいたことを思い出しました。
でも、冷静になって聴き直し、ネットの全文書き起こしを読むと、内容には事実を歪めかねない箇所がいくつかあり、また社会的弱者への共感と配慮を著しく欠いていたのも非常に残念でした。
以下、端的に実例をいくつか。
25年間ずっと「松尾くん」と呼び続けてきた達郎さんが、番組内では「松尾氏」という表現をされていました。〈この人と自分との間には結構な距離がありますよ〉というイメージ誘導の意図を感じずにはいられません。
「そもそも、彼とはもう長い間会っておりません。年にメールが数通という関係です」という言葉にも、同様の意図を感じますね。実際には、昨年のアルバム『SOFTLY』のNHK-FM特番にも、達郎さんとスマイルカンパニーに請われて私は生出演しました。会った回数やメールの本数で〈親密さ〉を数値化するような考えかたは、アーティスト山下達郎が最も忌避してきたものではなかったでしょうか。何よりそれ以前の交友さえ希薄だったように印象づける言い回しが恣意的過ぎて残念です。
「(契約解除の)理由は決してそれだけではありません。他にもいろいろあるんですけれど。今日この場ではそのことについては、触れることを差し控えたいと思います。」とおっしゃいました。一方でご自身を「いちタレント」と位置づけた達郎さんが、ではなぜその〈いろいろ〉な〈理由〉をご存じなのか。それは何なのか、私が教えていただきたいほど。漠然とした何かを匂わせるような物言いは不適切であると考えます。
【質問2】山下達郎さんが「松尾氏は所属アーティストではなく解雇にあたらない」と話していましたが事実でしょうか。
【回答2】当然です。私も「解雇」という表現は一度も使っていません。
今回の件について予備知識がないままラジオを聴いていた方が、あたかも私が「解雇」されたと主張しているかのような誤解を抱きかねないミスリードになる危険を感じました。
また、スマイルカンパニーと15年間にわたって業務提携を結んできた立場から申し上げると、同じ事務所に所属している他のタレントの契約内容のデリケートな部分をご自身のラジオ番組で語る姿勢は不適切で、大いに問題があると考えます。
【質問3】山下達郎さんが「社長に対して契約を終了するように促したわけではありません」と話していましたが、松尾様が代理人を通して聞いた話と齟齬はないでしょうか。
【回答3】「促した」という表現には大いに齟齬を感じます。
私は7/1のツイートでも、7/6の日刊ゲンダイ連載「松尾潔のメロウな木曜日」でも、達郎さんが「促した」とは一度も書いておらず、「賛成」という表現を用いて、彼が是認あるいは追認した事実を書いたのみです。ご自身の番組内で、私の表現をいったん変えてそれを否定する達郎さん。仮に意図的ではなかったにせよ、やはり疑問を抱かざるを得ません。残念です。
(文/編集部)