俳優でタレントの草彅剛さんが2023年後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で演じる“羽鳥善一”の、モデルとなった作曲家“服部良一”さん。
良一さんの次男で俳優・音楽家の服部吉次さんが、今から70年前、吉次さんが8歳だった当時に、ジャニー喜多川さんから性被害を受けていたと告白。5日の「日刊ゲンダイ」紙面および「日刊ゲンダイDIGITAL」に、その詳細が掲載された。
そして6日の同紙面および同サイトには、同問題に関する続報が掲載された。
吉次さんは、8歳で初めて被害に遭ってから、年間30回のペースでその後2年半に渡り被害を受け続けたという。8~11歳の間に、単純計算で70~80回もの性被害をジャニーさんから受けていたことになる。
当時からこれまでを回顧し「私自身、その時のPTSDに苦しみながら、なぜ70年間も告白できなかったのか。あらがえなかった、沈黙してしまった、それがジャニーの性被害を育み、果ては主要メディアの沈黙にまで手を貸してしまった」と、吉次さんは自責の念を口にしている。
現在、うっすらとジャニーズ性加害問題を追及する姿勢を示したテレビメディアは、いつの間にか問題を有耶無耶にし、「タレントに罪はない」という文言を盾に、様々な番組にジャニーズ所属タレントを重用するスタンスに戻りつつある。
だが、ジャニーさんのケースから学ぶべきは「性加害、中でも未成年に対するものは特に厳しい視線を配る必要がある」「問題追及を早い時点で実行し、被害者の増幅を最小限にとどめる」という考え方だろう。
その意味では、複数の被害者が声を上げているジャニーズアイドル「なにわ男子」大西流星さんによる性加害疑惑については、一刻も早く事実関係を追及すべきではないだろうか。
今追及しなければ、最悪の場合、ジャニーさんのときと同じように無数の被害少年が生み出されるのだから。
(文/福田優太郎)