4日、西武ライオンズの抑え、増田達至投手がFA(フリーエージェント)の権利を行使したうえで、チームに残留することを発表した。
増田投手は今シーズン33セーブを挙げ、日本一に輝いたソフトバンクホークスの森唯斗投手、リーグ2位となったロッテマリーンズの益田直也投手との激しいセーブ王争いを制し、自身初の最多セーブのタイトルを獲得。
今年FAの権利を取得することを念頭に、チームは昨年オフに、複数年契約を提示したものの、それを断り単年契約で増田投手は今シーズンに臨んでいた。
ここ数年はFAによりチームの主力が次々と流出し、チーム編成に大きな影響を受け続けていた西武。
3連覇を目指した今シーズンは、昨年オフに秋山翔吾選手がメジャーリーグ・レッズへFA移籍した穴を埋められず3位に甘んじていただけに、守護神の流出の有無が来シーズンのチームの浮沈の鍵を握ると見られていた。
FA流出に対しても増田投手がストッパー
「先日は、出場機会は少ないもののチームのムードメーカーである熊代聖人選手がFA宣言しての残留を表明していました。
今年FA権を保持している選手の中で残留の意向が不明だったのは増田投手のみ。
15年以降は5年連続でFAで選手が抜けていっている状況でしたから、増田投手の残留決定により、6年連続でのFAの悲劇となることを防ぐことができましたね。
特に、16年は岸孝之投手が楽天へ、18年には炭谷銀仁朗捕手が巨人、浅村栄斗選手が楽天へ、昨年は秋山翔吾選手がメジャー移籍と、人気・実力ともに主力の選手が抜ける状況に歯止めがきかなくなっていましたから、チーム内の役割としてだけでなく、FA流出に対しても増田投手がストッパー、守護神となってくれたと言えますよ」(スポーツ記者)
これで来シーズンのソフトバンク追撃へ向けて、逆襲の獅子が牙を研ぎ始められるのではないだろうか。
(文/有村和巳)