TBSの定例会見が31日、東京・赤坂の同局で開かれ、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川さんによる性加害問題に付随する同事務所所属タレントの起用については「(タレント)個人が起こした問題ではなく、キャスティングを変更することはありません」との方針が示された。
すでに同問題に対する見解を表明していた日本テレビ、テレビ東京、フジテレビ、テレビ朝日といった民放キー局と同じく、同事務所への露骨な忖度が感じられるものだった。
「タレント個人が起こした問題ではない」と言うが、あくまでも今浮き彫りになっているのがジャニー喜多川さんに関するものというだけのこと。知らない、把握できていないだけで、タレント個人が問題を起こしている可能性がないとは言い切れないではないか。
性加害・性虐待を黙認する大人に囲まれて育ったタレントたちは、被害者である可能性が考えられることはもちろん、加害者になってしまうハードルが下がっているという側面があることも否めないだろう。
事実、大人気アイドルグループ「なにわ男子」の大西流星さんに関しては、複数のローティーンの後輩らへ対し性加害をしていた疑惑が、一部で指摘されている。
慎重さはもちろん必要だが、決して難しいことはない。テレビ各局が同事務所に対し第三者委員会を設置しての徹底調査を行うよう働きかけ、自局でも独自に疑惑が晴れるよう対象者にヒアリングを行うなどすれば良いだけのことである。
なにわ男子は今年8月の『24時間テレビ』(日本テレビ系)で、グループとしてメインパーソナリティを務めることが発表されている。
日本テレビは、先代社長が性加害問題を起こした事務所の、メンバー内にも性加害の疑惑者がいるグループをメインに据えてなお「愛は地球を救う」と言えるのだろうか。
(文/福田優太郎)